電流センサINAシリーズ5選!性能や違いを徹底比較
こんにちは!
今回は、技術者やDIY愛好家にとって非常に便利な電流センサ、INAシリーズの中から特に注目すべき5つのモデルを厳選してご紹介します。
それぞれのモデルがどのように異なり、どのようなプロジェクトに最適かを詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください!
★目次★
INA226: 高精度で多機能な電流センサ
まずはINAシリーズの中でもよく知られる、INA226について、その特徴をご紹介したいと思います。
INA226は、高精度・高機能で多くのプロジェクトに選ばれています!
NA226の特長
INA226は、電流、電圧、および電力を監視するための集積回路(IC)です。
このセンサは、I2C通信を利用して、マイクロコントローラ(マイコン)との間でデータをやり取りすることができます。
特に、高精度な測定が可能で、その分解能は最大16ビットに達します。これにより、非常に小さな電流変化も捉えることが可能です。
また、広範囲な電源電圧(3Vから5.5V)に対応しており、さまざまなデバイスと組み合わせて使用できるのが大きな利点です。
その他に、INA226のローコスト版として、INA231というのもあり、主に測定電圧範囲がINA226は0~36Vに対し、
INA231は0V~28Vまでとなっております。
INA226の技術的仕様
⦁ 電圧測定範囲: INA226は、バス電圧を0Vから36Vまで測定することができます。
⦁ 電流測定精度: 最小限の誤差で電流を測定可能で、誤差の範囲は通常、指定された測定値の±0.1%以内です。
⦁ 通信インターフェース: I2Cインターフェースを通じて、簡単に他のデジタルデバイスと接続できます。
INA226の一般的な使用用途
INA226は、
・家庭用の電力管理システム
・ポータブル機器
・サーバールームの電力監視
・太陽光発電の監視
・LEDの電流測定
などで利用されています。また、DIY電子工作での使用も非常に人気があります!
例えば、バッテリーマネージャーやスマート家電への組み込みなど、精密な電力測定が求められる場合にも使用できます。
多くのエンジニアやDYI愛好家から支持をされており、より精密なデバイスの需要が高まる中で、INA226のような高性能センサの役割はさらに重要になっていくでしょう。
次のプロジェクトで電流センサを使う予定がある方は、ぜひINA226を検討してみてください!
INA219: 低コストでアクセスしやすいセンサ
コストパフォーマンスが高いと評判のINA219電流センサ!低コストで手軽に使えるINA219は、
多くのプロジェクトで活躍する優れものです。
では、INA219の基本機能と、どんなプロジェクトに最適なのかを見ていきましょう!
INA219のコストパフォーマンス
INA219は、高価な機器を必要とすることなく、電流と電圧を測定できるコスパの高いセンサです。
このセンサは、個人の電流工作や教育用途で人気があります。
手頃な価格で初期費用を抑えられて、使いやすさも抜群!I2Cインターフェースを通じて簡単にマイクロコントローラと通信が可能です。
これにより、初心者でも簡単に電子回路の電流測定ができるんです。
INA219の基本機能
INA219は、最大26Vまでのバス電圧と最大3.2Aまでのシャント電流を計測可能です。
計測の精度は非常に高く正確なデータを得ることができます。
センサは、測定データをデジタル値として出力して電力消費量を計算することができます。
また、小型であるのも特徴!小型なのに高機能で、比較的簡単に組み込むことができるため、場所を取らずにすむのも大きなメリットです。
どのようなプロジェクトに最適か
INA219は、電力管理が必要なプロジェクトに特に適しています。
例えば、バッテリー駆動のデバイスの消費電力をモニタリングしたい場合や、太陽光パネルからのエネルギー利用を最適化したい場合などにも良いです。
住宅の照明、暖房、空調、セキュリティシステムなどの家庭内設備を自動化し、リモートで管理できるようにするにも最適です。
家電製品や設備をインターネットに接続して、スマホからも制御できるようにできますね。
住みやすさ、エネルギー効率の向上、セキュリティの強化などを向上させることを考えると胸が高鳴ってきます!
低コストで多くのDIYエンジニアから支持されているINA219のご紹介でした。
INA260: 直接電流、電圧、電力を計測
次に、INA260は、直接電流、電圧、そして電力を一度に計測できる非常に便利なセンサです。
これらが一体型になっていて、計測がこれほど簡単になるなんて、まさに神です!
INA260の一体型計測機能の利点
INA260の特長は、電流センサデバイスにおいて、シャント抵抗がセンサの一部として内蔵されていることです。
内蔵されているシャント抵抗により、センサ自体が直接電流を測定できるようになっています。
通常、電流を測定するためには、回路にシャント抵抗を設置し、そこにかかる電圧降下を測定する必要があります。
(*この電圧降下は、オームの法則により直接的に流れている電流量と関連しています。)
そのため、外部の複雑な接続や追加の部品が不要なので、設計がシンプルでコンパクトになります。
また、シャント抵抗を内蔵しているため、高精度で応答時間が速く、リアルタイムでのデータ取得が可能です。
INA260の応用例
INA260は、高精度で設計がシンプルでコンパクトなため、さまざまなアプリケーションで使用されています。
例えば、サーバールームでのパワーマネジメントシステムにおいて、各サーバーの電力消費を正確に監視することができます。
これにより、エネルギー効率の最適化が図れるのです。
スマートフォン、ノートパソコン、ウェアラブルデバイスなど、バッテリーを電源として動作するいろいろなポータブルデバイスにおいてのバッテリーマネジメントにも最適です。
デバイスの電力消費を正確に測定して、バッテリー寿命の最適化に役立てることができます。
さらに、再生可能エネルギーシステムでの使用では、太陽光パネルや風力発電機の効率をリアルタイムで計測し、システム全体のパフォーマンス向上に貢献しています。
INA260はさまざまな分野でのニーズに応えることができる優れものです。
もし皆さんが精度の高い電力測定を求めているなら、ぜひINA260を試してみてくださいね!
その便利さに、きっと驚かれるはずです!
INA282: 高電流アプリケーション向け
高電流を扱うプロジェクトに最適な電流センサ、INA282!強力な電流処理能力で、特に産業用途においてその真価を発揮します。
それでは、INA282の特長と産業での使用例について詳しく見ていきましょう。
INA282の高電流処理能力
INA282は、高電流を扱うアプリケーションに特化した電流センサです。
このセンサは最大3.2Aの電流を直接測定でき、外部のシャント抵抗を使用することでさらに大きな電流も測定可能です。
INA282は非常に高精度で、システム全体の効率を向上させるための正確な電流監視を提供します。
産業用途での使用例
INA282の高電流処理能力は、大型のモーターやトランスフォーマーの監視に利用されています。
また、太陽光発電や風力発電など、再生可能エネルギーソースからの大電流を正確に測定し、エネルギー生成の最適化に貢献しています。
小規模から中規模の太陽光発電では、セットアップが簡単で一体型のINA260が好まれることが多いですが、
一方で、大規模な商業施設や産業用途では、より高い電流を扱えるINA282が適しています。
さらに、INA282は工場の電力監視システムにも組み込まれ、生産ラインの電力使用をリアルタイムで監視することで、
無駄な電力消費を削減し、全体のエネルギー効率を向上させることができます。これにより、
企業は運用コストを削減しつつ環境への影響も低減できるのです。
現在、INA282には、INA296Bという新バージョンもでています。
INA3221: 3チャネル電流センサの可能性
3チャネルの測定機能を持っており、複数の電源ラインを同時に監視することが可能な革新的な電流センサ、
INA3221について特性と技術的なメリットを一緒に見ていきましょう!
INA3221の特性
INA3221は、一つのデバイスで3つの電流測定チャネルが独立しています。
これにより、複数の電源ラインを個別に監視することができ、
各ラインの電流、電圧、および電力をリアルタイムで計測することが可能になるんです!
I2Cインターフェースを使用していて、マイクロコントローラとの通信を簡単に行えるので、システム統合も非常にスムーズです。
技術的なメリット
1 多チャネル監視: 各チャネルが独立しているため、一つのセンサで複数の回路の監視が可能!
デバイスのコンパクト化が進み、設置スペースを節約できる上、システムの複雑さを減らすことができます。
2 高精度測定: INA3221は、高精度で電流と電圧の測定を行うことができ、
システム全体のパフォーマンスを向上させることで特にエネルギー監視が重要なアプリケーションでその力を発揮します。
3 効率的な電力管理: 複数の電源ラインのデータを同時に取得し分析することで、
エネルギー消費の最適化が図れます。これは、エネルギーコストの削減に直結し、環境に優しい運用が可能になります。
応用例
INA3221は、サーバールームの電力監視システム、多チャネルのバッテリーマネジメントシステム、
家庭用や産業用のスマートエネルギーモニタリングなど、さまざまな分野で活用されています。
また、ポータブルデバイスや電動車の電力システム管理にも適しており、これらのアプリケーションでの需要が高まっています。
複数の電源を扱うプロジェクトで、高度な電流監視ソリューションを求めている多くのエンジニアやデベロッパーから高い評価を受けています!
INAシリーズ比較のまとめ
この記事では、INAシリーズの電流センサについて、その性能と違いを比較してみました。
技術者やDIY愛好家にとって重要な電流センサは、それぞれが作りたいアプリケーションに最適化されています。
各モデルの主要な仕様をまとめてみましょう!
モデル | 測定電圧範囲 | 測定電流範囲 | 精度 | 分解能 | 消費電流 |
INA226 | 0V – 36V | 最大 0.1% までの誤差 | ±0.1% | 16ビット | 330μA以下 |
INA219 | 0V – 26V | 最大 3.2A | ±0.5% | 12ビット | 1000μA以下 |
INA260 | 0V – 36V | 最大 15A | ±0.1% | 16ビット | 500μA以下 |
INA282 | 外部シャント抵抗に依存 | 外部シャント抵抗に依存 | ±0.5% | ー |
望ましい仕様に応じて
|
INA3221 | 0V – 26V | 最大 3.2A (チャネルごと) | ±0.8% | 12ビット | 350μA以下 |
その他モデル
モデル | 測定電圧範囲 | 測定電流範囲 | 精度 | 分解能 | 消費電流 |
INA228(絶縁タイプ) | 0V – 85V | 最大 20A | ±2% | 20ビット | |
INA231(INA226のローコスト版) | 0V – 28V | 最大 20A | ±0.1% | 16ビット | 1mA以下 |
INA238(INA226の後継) | 0V – 85V | 最大 20A | ±0.1% | 16ビット | 1mA以下 |
各INAセンサーはそれぞれ異なり用途によって最適な選択が変わってきます。
例えば、高精度が求められる場合にはINA226やINA260が適しており、特にINA260は電力も同時に測定できるため、
一体型の解決策を求めるプロジェクトに最適です。一方で、低コストで広いアプリケーションに対応するINA219は、初心者にもお勧めです。
入手方法はこちら↓(価格は2024年4月時点の物となります。)
・INA226
需要が高いため取り扱っている店は多く、値段も比較的お手頃です。
電子工作ステーション 560円
・INA219
需要が高いため取り扱っている店は多く、値段も比較的お手頃です。
電子工作ステーション 420円
・INA228
高性能で最新のモデルです。
ストロベリー・リナックス 1430円
・INA260
高性能な分価格が高めです。
スイッチサイエンス 1650円
・INA282
需要が低く、取り扱っている店は少ないです。
Amazonで売っているかも?
INA3221
需要が低く、取り扱っている店は少ないです。
Amazonで売っているかも?
プロジェクトのニーズに合わせて、これらのセンサーを選択することで、より効率的で正確な電流測定が可能になります。
皆さんの次のプロジェクトで、これらの情報が役立つことを願っています!